夏の夜のイナバウアー祭り

今回はオフネタです。

先日世間は「バルス祭り」とやらで賑わって?ましたが、この週末は夏の大イベント、イナバウアー祭りを見に行ってきました。

イナバウアー祭りとはなんぞや?という人が多いと思いますが、多分このネーミングで呼んでいるのは私だけだと思うので、この段階で分かる人はいないと思います。

ではどんな祭りなのかというと、それはそれは神秘的なお祭りです。

夏の一定期間、夜な夜な人知れず開催されていることが多いのではないかと思います。

この時期は日本中で連日開催されていると思います。
時間はおそらく夜の10時(22時)前後〜深夜にかけてかと思います。


ここで、私がなぜイナバウアー祭りを見に行こうと思ったかといういきさつを簡単に話しておきたいと思います。

私は去年の夏、お祭りには参加せずに単独でイナバウアーをしている方を、平日の仕事帰りにたまたま目撃しました。

それがそういったものだということは映像などで見たことがあり、知ってはいましたが、生で見たのはおそらくその時が初めてで、その美しく神秘的な光景に思わず見入ってしまいました。

何度も見るチャンスはあっただろうに、どうして今まで一度もそういう場面に遭遇しなかったかと少し悔まれるほどでした。

そして、去年の夏の終わりごろ、近所の神社を訪れた際に、そこで盛大なイナバウアー祭りが開かれたであろう痕跡を発見しました。そのとき私は思ったのです。「来年の夏こそはこの盛大な祭りを見に来てやろう」と。


そんな経緯があって、ついに今週末それを見るべく近所の神社へ行ってきたというわけです。



8月某日、PM9:00頃。

昔から知っているとはいえ、夜の神社はやや不気味な雰囲気。

果たして本当に開催されているのかとやや疑いながらもワクワク半分で鳥居をくぐり、明かりのある社の方へ歩いていく…。

すると…いるではないですか!

次から次へと参加者がやってきては思い思いの場所へと登っていきます!

社の天井まで登っていく方、柱の途中で良しとする方、階段で良しとする方、中には面倒くさがりなのか地面で良しとする方まで実に様々。

これだけ数が多いと、探すのに苦労はしません。しかも、既にイナバウアーを終えている方から、まさに今最中という方、まだまだこれからでっせという方まで、同時にいろんな段階を見ることができます。

このあたりで、ぼちぼち何のことなのか分かってきたという人もいるのではないでしょうか?

既に十分引っ張った感があるので、ここでイナバウアー真っ最中な方の写真をどうぞ!

そうです。これぞイナバウアー祭りの正体、夏の一大イベント、蝉の羽化です。

虫嫌いな人、無駄に引っ張った上に期待を裏切ってしまってすみません。

でもこの色のキレイさといったら見事としか言いようがありません。

ある程度蝉の種類を知っている方であればお察しのこととは思いますが、この緑(青)系の色、そう、おそらくミンミンゼミだと思われます。

それほど珍しいというわけではないと思いますが、うちの近所は圧倒的にアブラゼミが多いので、ここまで見やすい位置でミンミンゼミのイナバウアーを見れたのはちょっとラッキーだったかもしれません。

去年見たのはアブラさんのイナバウアーでした。

せっかくなので、今年のアブラさんのイナバウアーもお見せします。

ミンミンさんもアブラさんも見事なイナバウアーです!

神社内のどこでもイナバウアーです!!

ヒネリも加わって、みんなでイナバウアーです!!!


と一見華やかなイベントに見えるイナバウアー祭りですが、現実はそれほどあまくはありません。

演者たちにとっては命懸けのイナバウアーです。

途中で敵に襲われたりしてイナバウアーをする段階までたどりつけない方もいます。

イナバウアーの最中に落下してそのままご臨終されたり、羽が正常に伸びないなどの後遺症を抱える方もいます。

イナバウアー(羽化)失敗率は低くないそうです。

そんな厳しい自然環境の中で、生涯における一番重要な最後の一月程度を過ごすためのプロセスとして蝉が見せてくれる神秘的な光景。

命の尊さと美しさ、そして儚さまでもを感じることのできるイナバウアー祭り。

是非一度みなさんもご覧になってみては如何ですか?